日本本土にはイエネコ以外のネコ類は1種も分布しない。国内に生息する(広義の)ヤマネコ類は対馬のツシマヤマネコと西表島のイリオモテヤマネコの2つのみである。かつては、一般に「山猫」と言えば後述するように野猫を指す場合が多かったが、それを除けばツシマヤマネコのことであった。「ヤマネコ」がツシマヤマネコの和名として用いられることもあった。
ツシマヤマネコとイリオモテヤマネコの分類的な位置づけには諸説があるが、最近は南?東南アジアに分布するベンガルヤマネコ Prionailurus bengalensis(または Felis bengalensis)の亜種として位置づけられることが多い。
分類学上の用語としては、「ヤマネコ」とは狭義には特にネコ属の種の1つであるヤマネコFelis silvestrisを指す。これは、はじめにネコ類の分類を手がけたヨーロッパの研究者たちが自分たちにもっとも身近なヨーロッパ在来の小型野生ネコ類のうち、小さめのものを単にwild cat(野生ネコ)、大きめのものをlynx(リンクス)と呼んだことに由来する。前者がヤマネコ Felis silvestris、後者がオオヤマネコ Lynx(特にヨーロッパオオヤマネコ Lynx lynx)である。
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ヤマネコ種にはヨーロッパヤマネコ F. s. silvestrisのほか、アフリカからイラン西部にかけて分布するリビアヤマネコ F. s. lybica、中央アジアから西アジアにかけて分布するステップヤマネコ F. s. ornataなど、計5亜種が含まれる。
これらのほかに、従来は独立した1種 Felis catusと見なされてきたイエネコが近年になって、狭義のヤマネコの1亜種 Felis silvestris catusと見なされるようになった。なお、イエネコは考古学的な研究からリビアヤマネコを主要な祖先としてもつと考えられてきたが、2007年6月28日付けの「Science」電子版に「肥沃な三日月地帯のリビアヤマネコがイエネコの唯一の先祖であることが、60種類のヤマネコと世界各地のイエネコとの遺伝子比較によって明らかになった」という新説が掲載された。